短文置き場
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「じゃぁな」 そう言って君は笑った。
電車に乗り込み振り返ると、君は微笑んでいた。 手を伸ばせば触れる距離なのに、その笑顔が、悲しくて、愛しくて、僕は手を伸ばす事が出来なかった。 このままどこにも帰らず、ずっと二人だけで居られたらいいのに。 そうすれば、こんな不安も消える。 こんなに近いのに、僕と君の間には決して縮まらない距離がある。 撫でるように手を動かすと、亮も手を這わせた。 ぴったりと重なるように合った手から愛しさが込み上げてくる。 君はほんの少しだけ寂しそうに目を伏せて、笑った。 電車が動き出し、ゆっくりと君を遠ざける。 「またな、薫」 笑ったまま君はずっと僕を見ていた。 「またね、亮」 僕も笑って、君がいたホームをいつまでも見ていた。 PR |
カレンダー
フリーエリア
最新記事
(01/13)
(01/13)
(11/16)
(11/12)
(11/09)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
季咲
性別:
非公開
ブログ内検索
|