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「ねぇ、ハセヲ・・・今日ね、ボク一人で買い物に行ったんだ」

マク・アヌの噴水は夕陽を浴びてきらきらと光の粒を撒き散らしていた。
一見すればとても綺麗な様相だったけれど、その輝きは彼の前では引き立て役にしかなり得なかった。
彼、エンデュランスは噴水の光を背景にうっとりと微笑んでいた。
その誰もが見惚れる微笑みだったが、彼がその眸に映すのは、笑顔を向けるのは世界にたった一人だけ。

「きっとそのうち、ハセヲにも会いに行けるようになるかな・・・・・・?」

眸を潤ませながら、優雅に薔薇の花弁を舞い散らせるその様に周囲も息を呑んでいた。
そのPC達の表情は青ざめていたり、目を合わせないようにしていたりと様々だった。

「ボク、ボク・・・・・・ハセヲの為ならなんだってできるよ」

それもそのはずで、先程からエンデュランスは悶えるように体をくねらせながら目の前に置かれたハセにゃん人形を頬を染めて見つめていたのだ。

「エ、エンデュランス?何・・・やってんだ・・・?」

「あ、ハセヲ・・・・・・」

人込みの中から姿を現したハセヲは、エンデュランスのその様を見た瞬間、動きが固まった。

「どうしたの、ハ・セ・ヲ?」

変な節をつけながらエンデュランスの人差し指がハセヲの唇に押し当てられ、その衝撃にエンデュランスを除く全ての動きが止まった。

「あれ・・・・・・・みんなどうしちゃったのかな・・・・・・?まぁ、いいか・・・ねぇ、ハセヲ早く行こう・・・・・・」

風景までもが灰色に塗り替えられていく様を見ながら、エンデュランスは動かないままのハセヲの腕を引きながら人気の無い場所まで移動するのだった。
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