短文置き場
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さあ、何処へ行こう。
ここから先は導は無い。 未開の地。 その一歩を踏み出すのは、今。 「じゃあ、さよなら、だね」 最後にそう言った志乃は静かに笑って、俺を通り過ぎていった。 あれほど求めていたはずなのに、どうしてだろう、彼女を前にしても、何も感じないなんて。 全ての柵から解き放たれた、そんな感じがした。 以前なら彼女との別離は、死に等しいほどの苦痛だったはずなのに。 何が変わった? 何が変えた? 「全て」を覆した、それは・・・・・・。 「ハセヲ」 聞き慣れた声。 何処となくか弱い音色。 振り向けば、そいつは笑っていた。 透き通るようなその笑みに、こちらも自然と頬が緩む。 ああ、そうか。 闇に染まった色は、こいつが塗り替えたんだ。 導を消したのも、きっとこいつなんだ。 けれど。 俺の全てを塗りつぶしてしまったのもこいつなら。 俺に全てを与えてくれたのもまた、こいつだったんだ。 「それも悪くないかもな」 「?如何したの、ハセヲ」 「何でもねえよ」 何処へ行こう。 ここから先は導は無い。 未開の地。 過去に落とした足跡はもうない。 未来もまたここからは見えない。 けれど、君となら、歩いてゆける。 たとえどんなに辛くても、君といる未来があるのなら。 さあ、行こう。 その一歩を踏み出すのは、今。 PR |
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